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本音が渋滞するとき ― 40代以降の女性の心に起きていること

仕事がら、心の中の葛藤のお話をよくお聞きします。

  • 「やりたい気持ち」と「ためらい」が、同時に存在している。
  • 前に進みたいのに、立ち止まりたくもなる。
  • 自由になりたいけれど、失うのは怖い。 

そんな相反する思いがいくつも重なってくると、自分の本音がわからなくなってしまうことがあります。

この本音の渋滞みたいな現象は、あなたが人生経験を重ねる中で自然に起こることです。

人生の中で、役割が変わっていく時期

年齢を重ねるにつれて、私たちは少しずつ、担っている役割を増やしていきます。

職場で、友達と、近所付き合いの中で、または趣味のグループで。


特に女性は、仕事上の役割でもない「名前のないケア」を引き受けていることも多いです。
娘として、妻として、母として。

自分が心から願ったことかどうかに関わらず、長い期間続いていく役割が続いていきます。
 

そして、時とともに、これまで当たり前だった立場や期待が、いつの間にか変化していることがあります。

親が年老いていく、パートナーとの関係が変わっていく、子どもが成長していく。

外側の状況が変わっているのに、内側の基準は以前のままだったりすると、そのズレが小さな違和感として現れ始めます。

思いが増えて、葛藤が生まれるとき

役割が増えたり変化したりすると、心の中に生まれる思いも自然と多くなっていきます。


「私はこうしたい」という気持ちと、「でも相手も大切にしたい」という同時に大切な思い。
「もっとこうなったらいいのに」という期待や希望と、「現実を見て対応していかなきゃ」という受容と責任感。

どちらも本音なのに、同時に存在することで、自分が何を大切にしたいのかが、見えにくくなっていきます。


これは、優柔不断だからでも意志が弱いからでもありません。

むしろ、それだけ多くのことを感じ取っている証でもあります。
HSP傾向を持っている女性からは、「何もしていないのに考えているだけで疲れる」という話をよく聞きます。お疲れ様です!
 

不満と願いが混ざっている状態

さらに事態をややこしくしているのは、その中に「不満」と「願い」が混ざっていることです。

疲れた、もう無理、何か変えたい。

そうした言葉は出てくるのに、「じゃあどうしたいの?」と聞かれると、言葉に詰まってしまう。

表に出てくる不満の奥には、本当は大切にしたいことや、こう在りたいという願いが隠れていることが少なくありません。

ただ、それが整理されないままでは、次の一歩に向けて動きだすことができないのです。

問いを急がない、という選択

私たちが「本音で話し合おう」というとき、やっぱり最初に出てくるのは外側に関する不満が多いです。

あの人がこうしてくれない
環境が整っていない
わかってくれない、聞いてくれない……

表に出てくる不満だけを見ていると、自分が何を望んでいるのか、ますますわからなくなることがあります。

でもその奥には、まだ言葉になっていない「願い」があります。

単純なところで言えば、「聞いてくれない」→「聞いて欲しい」。
でもそこで終わりではなくて、実際に何を聴いて欲しいのか、何を受け止めてほしいのか?
私たちにはもっと深い願いがあるはず。
 


そのモヤモヤした本音の奥で、私たちは何を大切にしたいと願っているのでしょう?

その問いへの答えは、焦って探すのではなく、まずは感じてみるのがお勧めです。



グルグルぶつかりあう不満や葛藤を急いで解消しようとせず、
 「私のこのモヤモヤは、何を大切にしたいのかな……」
と、ちょっと間を取って、余白を作ってみる。

本音の渋滞の中に隙間を作ってみる。

自分の中にスペースができるその隙間と時間の中に、答えがふと現れるかもしれません。

お試しくださいーー



この記事では、40代以降の女性が「自分の本音がよくわからない」と感じるときに、何が起きているのかをお話ししてみました。

次の記事では、焦って自分の本音や願いをクリアにしようとするときに、失敗しないための考え方を整理していきます。

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