自分の本音が言えない、わからない。そういうお悩みがある女性は多いです。
「言えないで我慢しているうちに本音がわからなくなってしまった」
というのが近いかもしれません。
前回の記事で書いたように、40代以降、役割の変化などもあって本音が渋滞してその悩みは加速しがち。
これまで、たくさん考え、感じ、調整しながら生きてきた人ほど、「今度こそちゃんと整理しよう」と思います。
自分の本音を見つめて、迷いをなくして、次に進む答えを出したい。
そうやって真剣に向き合おうとする姿勢はすごいと思います。良い方向性ですよね。
けれど、そのがんばり方が、かえって遠回りになってしまうこともあります。
本音を見つけようとして、つい選んでしまう5つの遠回り
モヤモヤが続くと、私たちは「早くスッキリしたい」「答えを出したい」という気持ちになります。
そのときに、選びやすい向き合い方があります。一つずつ紹介してみます。
あなたにも当てはまること、きっとあると思います。
① ポジティブな答えを出そうとする
ネガティブな本音を抱え続けることって罪悪感を伴います。
苦しいし、変わりたい。
だから前向きに考えよう、意味を見出そう、感謝しよう。
そんなメッセージも良く目にします。
でも気持ちが追いつかないまま言葉だけを整えるのは違うかも。
内側に置き去りになる部分が、かえって心に強く残りやすくなります。
② いきなり「本当はどうしたい?」と自分に聞く
じゃあ本当はどうしたいのか。
自分に対して深い問いを投げかけてみる。
深く考える、大切ですよね。
でも、自分の中からすぐ言葉が出てこなくて、焦りだけが増えてしまうこともあります。
問いが悪いのではなく、投げるタイミングが早いのかもしれません。
③ 強み・使命・天職を探してみる
今までの他人に合わせた生き方ではなく、これからの役割や生き方を見つけることを決意する。
これも本当に大切な方向性。
なのですが、本音が整理されていない段階では、考えが空回りしやすくなります。
占いや心理テストでわかった強みのどの部分を自分に取り入れればいいのか?
自分の中に軸がないと、また何か外側の評価に合わせる違和感がぬぐえないままに。
④ さきに行動を変えようとする
自分の内側探しに疲れてきたら、方向転換。
まず行動を変える、環境を変える、新しいことを始める。
これは私自身が何度かやっています。
「この新しい環境で新しい考えで動いたら変われるのでは?」という期待。
ちょっと荒療治。でも効くときもある。
ただ、人生中盤で思い切った行動をとることには少しリスクもあり、勢いで動くと本質からずれてしまうこともあり。この荒療治疲れの方のご相談って結構あるんです。
チャレンジは、気づくことや得るものもありますよね。
挑戦は無駄ではなかったはず。
でも一時的にスッキリしても、同じところに戻ってくることがあります。
または「やってみたけどダメだった」と逆にあきらめが強くなってしまうことも。
⑤ 学びやツールを足し続ける
心理、スピリチュアル、自己理解。
これも私も大好き。
学ぶことは楽しいし、自分を俯瞰的に見る力がつくのは大切。
ただし、情報が増えるほど、自分の感覚がわからなくなってしまったというご相談も実はあります(わかる)。
答えが出ない感じが続くなら、ちょっと学びすぎかもしれません。
と、5つのよくあるやり方を上げてみました。
どれも良いトライなのに、何かうまくいかないことが多いですよね。
(うまくいくこともあるけど、運次第みたいなところがある)
なぜ遠回りになってしまうのか
ここに挙げたことは、どれも「間違ったやり方」ではありません。
むしろ、真剣に自分と向き合おうとしている人ほど、自然に選びやすい方法。
ただ、本音や願いが整理されていない段階で、いきなり答えを出そうとすると、扱っているテーマと向き合い方のレベルが合わなくなってしまいます。
それは、努力不足でも、能力の問題でもありません。
本音には、扱う順番がある、ということだと私は考えています。
本音や願いには、いくつかの層があります。
どの層から扱うかによって、見えてくるものも、進みやすさも大きく変わります。
深い層を見るのが大事なようですが、私は「段々に階層を降りつつひも解いていく」のをお勧めしています。
無理がないし、運任せでもなく、自分の本音の奥の願いにちゃんとたどり着けるから。
次の記事では、
「本音をひも解く」とはどういうことなのか。
なぜ一度に全部わかろうとしなくていいのか。
この「本音の層」と「順番」について整理していきます。

