低学年不登校HSCの軌跡 3)思うようには回復しない日々

hscschool3 HSP/HSC

ひといちばい敏感な子。HSC。

本も読んで、息子がこれだと確信した私は、
学校に無理に連れていくのをあきらめて
まずは息子をしっかり回復させたいと考え始めました。

スクールカウンセラーに相談もしながら
いろいろやってみるものの
そうそう簡単に元気は回復してこないな……という迷える日々でした。

HSCだという納得とホッとする感覚

息子の学校のスクールカウンセラーさんは
小中高たくさんの子供たちを見ている穏やかな方。

この頃いつも相談に乗ってもらっていました。

持ってきた本(ひといちばい敏感な子)を見せて
「HSCってご存じですか?」と尋ねると
さすがプロフェッショナル。はい、わかりますよと反応が。

「このHSCというのだと思うのですが」
「そうですね。
不登校のお子さんにはこのタイプ多いです。
当てはまると思います」

と静かに肯定していただきました。

HSCだったらこうすれば元気になる、
という簡単な解決策があるわけではなくても

それでもこの発見は大きなターニングポイントでした。

とにかくね、
HSP/HSC界隈ではみんな口をそろえて言うのですが

こどものことが理解できてホッとした

これに尽きるんですよね。

 

そうかそうか、
キミはわがままなのではなく
母(私)は甘やかしてるのではなく

HSCである君にとっては
学校は刺激が強すぎるんだね。

ただそれを知ること、受け入れること。
それが本当に本当に大きな一歩になりますね。

 

回復させると決めた。でもうまく行かない

学校に行かせようとすること(登校刺激)をやめて
とにかく刺激からのダメージを回復するため

じっくり休ませると覚悟を決めた私。
カウンセラーさんにも相談し、学校側にも方針を伝えていました。

本人には
「元気になるまでは学校に行かなくていいよ」
と伝えるようにしました。

「うん、わかった」
とちょっとほっとしたように言いながらも
家で過ごしていても所在なげで、
機嫌が悪く弟にあたったり
なかなか回復して行くようには見えない息子。

休ませようとしているのに
「少しでもいいから学校に行ったら?」
「学校がだめなら習い事とか何か外に出ないと」
「このまま引きこもりになったらどうするの?」
と家族からはいろいろと言われながら、

でも今はこの子にとって回復の時間が必要だから。
しっかりとエネルギーを蓄えて
そこからまた動き出すはずだから。

まだ現実には何も現れなくても
わかってもらえなくてもそう説明し続けたり、

時には「今はほっといて!」と拒絶したり。

(振り返るとこれ、息子と同じです。
周りに言われることに過度に動揺した結果
突然にすべてを遮断したくなってしまう。私も境界が弱点!)

 

この頃
昼間に外に出ることも嫌がるようになっていた息子とは
夜の公園で少し遊んだりしていました。

人目から隠れるように過ごす子どもにモヤモヤしつつ

ネガティブな刺激から守りながら
少しずつポジティブな刺激を入れていく。

そういう方針をとにかく一度貫いてみようと考えていました。

ポジティブな刺激としてのゲーム、という葛藤

ポジティブな刺激。
やりたいこと、好きなこと。

その頃の息子にとって、それはマインクラフトでした。
本人曰く、ゲームだけが楽しい時間なんだ、というくらいに。

一度は取り上げたゲームでしたが
好きなことをとことんやって元気を取り戻そう
をテーマにマインクラフトを解禁。

どうせ日中は外にも出られないで悶々としているのだし
好きなことをしている方がいいだろうという形です。

 

ゲーム以外では
一緒に工作したり、Eテレを見て何かやったり、
親子の時間もなるべく作ってはいましたが、
やはり元気がない……という感じでした。

そして
平日はどうしても運動量が足りないので、
土日になると父親や弟と遠出して思い切り外遊び。

週末は元気がいいので、
父親とまた「学校行けるんじゃないか」
「無理。やだ」という会話が繰り返され

「甘やかしてるからじゃないか」
「あんなに元気なら平日も何かしたら」
とわたしも夫には言われてしまうこともありました。

 

でも、平日は打って変わって元気がないのです。

布団から出てこられない日、
パジャマから着替えたくない日、
とにかく機嫌悪く泣いたり怒ったり激しい日。

家にいるのに、好きにさせているのに、
何かがおかしいような気もしていました。

私の中で
「本当にこれでいいのだろうか?」
「何か間違っていないだろうか?」
と不安も渦巻いていて

「時間割を作って過ごそうか」とか
「ゲームやりすぎじゃないの」とか
結局小うるさいことを言ってみたり難しい時期でした。

振り返ってみて

不登校経験の先輩として、あの頃の自分を見かけたらですね。

子どもを受け入れたふりをしているけれど、まだ受け入れてないね

って言っちゃうと思います。

でも、アドバイスとしては「受け入れて」ではないだろうなと。そんなこと言ったって響かないというか伝わらない気がします。

受け入れるってすごく受動的なことで、やろうと思ってできることじゃない。

疲れ果てて諦める、そんな風になってからやっと

  • 受け容れる
  • 手放す
  • 降伏する・サレンダー
  • 身を任せる
  • 信じる

そっち側に移動するのかもしれません。
そこに行くまでにもうちょっと。

やがて時は来る。降伏するまであと一歩。

「4)回復魔法がかかった日」に続きます。

タイトルとURLをコピーしました