HSPの4つの定義「DOES」とは?

HSP/HSC

数年前に比べると、知られるようになってきたHSP(ひといちばい敏感な人、繊細さん)という言葉。
ただなんとなく「敏感に反応する人」というだけでなくて、HSPの提唱者による4つの定義があります。

自分はHSPなのか?そうでないのか?と考えるためにはセルフチェックリストもありますが、この4つの定義「DOES」がわかっているとHSPを理解しやすくなります。

HSPの4つの定義、DOESとは

英語のDOの変化形であるDOESになぞらえて、ダズと呼ばれるこの定義。

  • D(Depth of Processing)深く処理する
  • O(Overstimulation)過剰に刺激を受けやすい
  • E(Emotional and Empathy)感情的に反応しやすい、特に共感力が高い
  • S(Sensitive to Subtle Stimuli)ささいな刺激を察知する

の4つになります。この4つが全部そろっている人がHSP。

時々間違えて「HSPの4タイプ」と紹介されていますが、勘違いです。HSPさんは、この4つの特徴をすべて持っている人です。

この4つが揃うとどんな感じになるかというと、

周りの人には気にならないほどささいな刺激を察知して(S)、
自分の内側で深く処理する(D)。
そして感情的・情緒的な反応も起こる(E)。


そのため同じ程度の刺激環境でも、周りの人よりも忙しい反応が起こっていて

すぐに刺激過剰になりやすい(O)。


順番に文章にしていくと、生きづらさを感じがちなHSPをうまくあらわすことができる定義ですね。

HSPにとって特に問題になるのが「O」過剰に刺激を受けやすい。

この定義・DOES自体は特にネガティブなものではありません。

深い処理をする繊細性やささいな刺激を察知する敏感性を上手に使って生きている人も多くいます。(HSPは5人に1人なので、全員が生きづらさを抱えているわけではないのです!)

ただし、周りの人よりもHSPのほうが生きづらさに陥りやすいのも確か。

特に問題になってくるのが、「O」。過剰に刺激を受けやすいところです。

HSPが過剰に刺激を受けるとどうなる?(過敏状態と低覚醒状態)

HSPが過剰に刺激を受けた場合、どうなるのでしょうか?


そもそも、HSPだけではなく誰にとっても、適切な刺激レベルというのがあります。

全く刺激がない生活は、神経に張り合いがなくだらけてしまう。
外からも内側からも刺激を受けながら、快適に暮らせるのが適切レベル。


それを超える過剰な刺激が続くと、神経が過活動になって過敏になりがち
そして神経のたかぶりに心身が堪えられないと、シャットダウンという低覚醒状態を引き起こすこともあります

過剰な刺激は、過敏すぎる臨戦態勢と低覚醒の無抵抗状態の2つの極端な状態にHSPを導いてしまうリスクがあるのです。


例えば、学校環境での刺激が強すぎるのに我慢しているHSP(HSC)が聴覚過敏になって毎日がつらくなるとか。刺激に耐えられずある日登校できなくなって、家でも電池が切れたようにぐったりと過ごしているとか。

そんなことが起こりがちになります。

HSPは神経の刺激レベルを調整していくことがとても大事

HSPが過敏状態、低覚醒状態に入ってしまったら、そこから抜け出すためのケアが必要。

ダメージを受けた心のケアも大事ですが、神経系を落ち着かせて真ん中のちょうどいい状態に戻していくケアも有効な時期です。



そしてその緊急的なケアがうまく行ってからも、敏感な神経系を守ることが大切。神経系の適切レベルに環境を整えること。そして少しずつレジリエンスを高めて刺激に強い状態に移っていくこと。

ここで無理をしないのがとてもとても大切です。

HSPの生活は、こんな風に非HSPの多数派よりも工夫と配慮が必要になってきます。

正直ちょっと面倒だなと思うこともあるかもしれません。

でもケアによって、刺激レベルが自分にちょうどよく調整できるようになれば、特に生きづらさを感じることもなく、深い処理や気づきやすさなどを長所として活かして生きていくことも十分に可能!


DOESをポジティブに捉えなおすなら

周りの人が気づかないようなことにも細やかに気づき(S)
洞察力によって深く処理したり(D)
共感的な対応ができて人間関係をスムーズにしたり(E)


と言ったような活躍ができるはず。

不要なのは「O」だけ。この過剰な刺激を受けやすい神経系を上手にケアしていきましょう。

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